宇佐美の夢4
スポーツマンはいかにして社会とかかわるか
埼玉県吉川市の
「元気運動教室」を視察して。
2000年4月、国民健康づくり運動いわゆる「健康日本21」がスタートしたことを受け、埼玉県吉川市では、今年の7月から「生活習慣病の予防改善」を目的とした介護予防事業が開始されました。
「夢3」で紹介した泉澤輝さんが、吉川市の介護予防事業「元気運動教室」の指導講師をつとめているので、9月始め、「元気運動教室」に2度目の視察をすることにしました。
元気運動教室は1クラス15人。参加者は女性が圧倒的に多く12人。年齢層は50〜60歳代がほとんど。主婦が多く、男性は定年退職者のみ。生活習慣病を患いながら、軽い運動をしてもよい、との医者の「お墨付き」のある人が選ばれています。
教室は、1回2時間、1週間2回、1クール3ヶ月が基本。私が視察した時は、スタートして2ヶ月が経過していました。
結論をいいますと、運動処方というものが、ここまで実際の効果をあげていることに、感動すら覚えました。
例をあげましょう。
A・Hさん、女性、59歳。糖尿病、高脂血症、高血圧症、膝関節痛があり、参加当初の血圧は144/92でした。教室に参加するまで、ほとんど運動をしたことがなく、膝関節痛のために、膝をいつもかばいながらの生活でした。
このため前半1ヶ月は膝関節痛と高血圧の改善にしぼり、「エアロバイク」と「エアロビクス」を中心とした有酸素運動に、「レッグ・エクステンション」と「レッグ・カール」を間にはさむというトレーニング・メニューです。
「膝の調子は非常にいいです。
かばってばかりいた膝が、再び使えるようになるとは、感激です。
血圧は120/80台に落ち着き、体重も2キロ減りました」とA・Hさん。
もう1人のU・Nさん、女性、57歳の例。
同じく、糖尿病、膝関節痛がありました。
「これまで運動をやってきたのですが、症状は改善されず、何度も挫折を経験しました。
この教室を知り、参加して私の人生が変わったんです。」
血糖値から見て、「立派な」糖尿病だったU・Nさんが――。
「日増しに体調が変わっていくのが、分かりました。仲間同士で励ましあって頑張れたのも、よかったです。」
2ヶ月前、118あった血糖値が、現在は101に減少。
「教室の雰囲気がとても明るく、楽しいですよ」と。U・Nさん。
一人一人の状態に合わせ、個人の能力を引き出すための処方を考え、各自の目標に達するように指導しているな、というのが、「元気運動教室」を見た私の感想です。
最後に、戸張胤茂・吉川市長の言葉を紹介します。
「吉川市は、本年3月『きらっと吉川21・健康福祉とスポーツのまちづくり宣言』をしました。
これはスポーツ・健康福祉が一体となって、市民が生き生きと健康で思いやりのあるまちづくりをすすめるための決意を示すものです。
『元気運動教室』もその決意の表れのひとつで、大いに期待しています。」
私の今後の目標は、「元気運動教室」のような試みを大きく広げていくことです。スポーツで生活習慣病が予防改善できるのですから、私なりのやり方で、社会に貢献できる方法を模索していこうと思っています。
ご意見・ご要望をお聞かせください。
宇佐美マラソン・スポーツ研究室
〒160-0007 東京都新宿区荒木町1-22
四谷マンション101
電話&Fax:03-6380-5395
Mail:umaraton-sporto●honey.ocn.ne.jp
(●を@に変えて送信して下さい)
目次へ
「東京シティマラソンを市民の手で育てよう」へ
「日本スポーツ・ボランティア・アソシエーションを育てよう」へ
「スポーツを、高齢化社会に役立てたい」へ
「こうして私はマラソン選手になった」へ
「3回連続オリンピック出場への道」へ
「宇佐美彰朗の雑記帳」へ
「宇佐美彰朗の仕事」へ
「宇佐美彰朗の著作」へ
「スケジュール表」へ
「宇佐美彰朗の趣味」へ
「ランナーのリンク集」へ